Netflixオリジナルドラマの「イカゲーム」を筆頭に「地獄が呼んでいる」「今、私たちの学校は…」など立て続けに世界的ヒットを出してきた韓国から「ペーパー・ハウス(スペイン)」のリメイク「ペーパー・ハウス・コリア」が登場。
2022年6月24日公開から3日目でNetflixグローバルテレビ部門トップ10(非英語)で1位を獲得している。
ドラマ評価 | ★4.0 |
OST評価 | ♫3.8 |
ジャンル | クライムサスペンス |
概要 | ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え
【原題】종이의 집: 공동경제구역 / チョンイエチプ: コントンキョンジェクヨク / Money Heist: Korea – Joint Economic Area
Netflixオリジナルドラマ(全12話/パート1:6話/パート2:6話)2022.6.24放送開始
2022.6.25 視聴開始〜 Ep6 「パート1」視聴完了 2022.6.26
監督演出:キム・ホンソン
原作:アレックス・ピナ「ペーパー・ハウス(原題: La casa de papel、英題: Money Heist)」
脚本:リュ・ヨンジェ
製作:BHエンターテインメント、コンテンツジウム
音楽:キム・テソン
ざっくりあらすじ | ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え
ついに南北統一が実現する見込みとなり朝鮮半島統一を控え、通貨を統一するため造幣局では日夜、統一紙幣が急ピッチで印刷されていた。
そこに目をつけた自称「教授」を名乗る男が『小さな盗みで世の中は変わらない。数十兆ウォンなら世の中も変わるし英雄となれる』と8人の犯罪者をスカウトし強盗団を結成。
それぞれが専門職を持つ8人は曲者揃い。ターゲットは「ペーパー・ハウス」を意味する国家造幣局。教授は『誰のものでもないカネを誰も殺さず盗む』完全犯罪を計画する。
警察側は南北からエキスパートを招集し統一チームを結成して事件の収集に当たるが、教授が立てた緻密な計画は次々と統一チームを出し抜いていく。
しかし多すぎる人質と統一チームの足並みにズレが生じ、強盗団にも不測の事態が発生する…
ドラマ評論 | ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え
教授と現場の仲間たちが次々と勃発していく不測の事態を切り抜けていく様が見どころ満載で面白い。痛快かつスピーディーな展開の中にちょっと一息入れるような心情シーンがバランスよく脚本化されていて、登場人物たちへの感情移入も混ざり片時も目が離せずぐんぐんドラマに引き込まれていく。
盗賊団のみならず人質全員に真紅のジャンプスーツを着せているため「イカゲーム」のシーンが脳裏をよぎる。
一団が「トーキョー」「ベルリン」など互いを世界の各都市名で呼び合うのは原作通りだが、それら都市名にマッチングしたイメージの俳優をキャスティングしているところもいい。
また、スペイン版の原作と大きく違うところは南北朝鮮の統一といった分断国家が持つややこしい社会背景を設定したことで、かなりオリジナルなドラマ仕立てになっている。
これによって主役の一人でもある「トーキョー」が元北朝鮮で特殊訓練を受けたことのある強靭な兵士という魅力的なキャラクターがあぶり出されている。
「ベルリン」も同様で、幼少時から元北朝鮮で受けた過酷な実体験によって冷徹無慈悲な人格を形成することになった経緯も理解できる。
いずれにせよ、多くの人物が登場するがその一人ひとりが丁寧に描かれており、ドラマの回を追うごとに登場人物への愛着が湧いていく自分に気付かされる。
敵同士である教授と人質交渉人ソ・ウジンとのロマンスも必見だ。
海外各メディアも「アクションと緊張感を絶やさず、人物や人間関係を繊細に描き出す熟練された演出」、「ピリッとしたセリフで原作キャラクターの魅力をうまく生かしている」、「スペイン原作と一線を画す。『イカゲーム』の要因をすべて加えた上、どんでん返しとスリルあふれる独創的なストーリー」、「強盗団俳優すべてが自分の役割を果たしている」、「極東アジアの地政学的脈絡を基盤にした魅力的な作品」、「野心的で魅力的、興味津々で中毒的だ」などといった評価がされている。
キャスト | ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え
本家スペインの「ペーパー・ハウス」にも負けない、個性豊かなキャストをズラリ揃えた韓国版。
ユ・ジテ(教授役)
強盗団を導くリーダー。表向きはパク・ソンホを名乗りレストランを経営し、捜査情報を得るため人質交渉人のソン・ウジンに近づく。
ハリウッドでリメイクされた映画「オールド・ボーイ(2003)」の悪役で知られるユ・ジテ。
ほか代表作は「スウィンダラーズ(2017)」、「サバハ(2019)」など。
ドラマ代表作:「スターの恋人(2008~2009)」、「ヒーラー ~最高の恋人(2014~2015)」、「グッドワイフ ~彼女の決断(2016)」、「花様年華 ~君といた季節(2020)」など。
キム・ユンジン(ソン・ウジン役)
韓国側の人質救出作戦チームの交渉人。パク・ソンホに心を惹かれている。
日本でも大ヒットした映画「シュリ(1999)」に新人ながらヒロインに抜擢され一躍TOP女優の仲間入りをしたキム・ユンジン。
米国では大人気ドラマ「LOST(2004~2010)」の出演を皮切りに、
「溺れる女たち ~ミストレス(2013~2016)」にもシーズン1,2ともメインキャストとして出演。
映画「国際市場で逢いましょう(2014)」で主人公ユン・ドクス(演ファン・ジョンミン)の妻オ・ヨンジャ役で出演し、韓国で歴代2位(当時)の観客動員を記録した。
パク・ヘス(ベルリン役)
周りにいるものを緊張させるオーラーが漂う北朝鮮出身のこの男。現場リーダー的なベルリンは幼いとき天涯孤独となり、ありとあらゆる辛酸を嘗めて育つ。その経験が体の奥まで染み付いた冷徹さと実行力でさまざまな危機を突破していく。
世界的大ヒットドラマ「イカゲーム(2021)」のサンウ役で一躍世界に知られる俳優となったパク・ヘス。
韓国では「刑務所のルールブック(2017)」の主演で注目を集めた。
映画代表作:「不夜城の男(2019)」、「夜叉 -容赦なき工作戦-(2022)」など。次回作はNetflixシリーズ「The Accidental Narco(2022)」が配信予定。
チョン・ジョンソ(トーキョー役)
北朝鮮特殊部隊出身でBTSの隠れアーミー。南北朝鮮統一に夢を弾ませ南へ渡るが詐欺に遭い全財産を失う。仕事を転々とし果てには悪い奴らからカネを強奪するようになり、最後は行き場を失い死のうと決意する。
村上春樹の「納屋を焼く」が原作の映画「バーニング(2018)」のヒロインをオーディションで勝ち取ったチョン・ジョンソ。新人でありながら、共演した「地獄が呼んでいる」のユ・アイン、「ミナリ」のスティーヴン・ユァンを圧倒するほどの演技を見せた。
次作「THE CALL/ザ・コール(2020)」で百想芸術大賞の最優秀主演女優賞を受賞。翌年「恋愛の抜けたロマンス(2021)」ではラブコメ初挑戦で新たな顔を見せている。
イ・ヒョヌ(リオ役)
K-POPのアイドルのようなルックスで天才的なハッカーぶりを発揮して一団をバックアップする。
子役出身のイ・ヒョヌは「ドラゴン桜<韓国版>(2009)」、「花ざかりの君たちへ(2012)」、「カノジョは嘘を愛しすぎてる(2017)」などに出演。映画「シークレット・ミッション(2013)」ではキム・スヒョン(「サイコだけど大丈夫」「ある日」など)と共演。
「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(2015)」でメインキャスト。「未成年裁判」でキム・ムヨルと共演。
イ・ウォンジョン(モスクワ役)
世界中で掘れない場所はないほど、どんな環境下でも掘ってきた天才的掘り師。息子デンバーを仲間に引き入れることを条件に今回最後のつもりでこの仕事にかけている。息子デンバー(キム・ジフン)がイケメン過ぎるためか『お前は母さんに似ている』とウソぶくシーンが笑える。
韓国でどんな作品にも欠かせないバイプレーヤーとして知られるイ・ウォンジョン。ドラマ代表作は「裸の消防士(2017)」、「客 -ザ・ゲスト-(2018)」、「憑依~殺人鬼を追え~(2019)」、「嘘の嘘」(2020)」、「熱血弁護士 パク・テヨン ~飛べ、小川の竜~(2020)」など。
キム・ジフン(デンバー役)
米国デンバーには大好きな映画のロッキーがいるからこの名を選んだつもりが、実はロッキーが居た場所はフィラデルフィアだと教授に指摘されとぼける。知的なことは苦手でいつも肉体で勝負する派。不法闘技場で無敗を誇る。
ドラマ代表作は「となりの美男<イケメン>(2013」)、「私はチャン・ボリ!(2014)」、「金持ちの息子(2018)」、「バベル ~愛と復讐の螺旋~(2019)」、「悪の花(2020)」ではサイコパスを演じ百想芸術大賞の助演男優賞にノミネート。
映画出演は「逆謀~反乱の時代(2017)」など。
次作にNetflixシリーズの「その恋、断固お断りします(2022年)」や、Netflix映画「バレリーナ(2022)」でトーキョー役のチョン・ジョンソと再共演が控えている。
チャン・ユンジュ(ナイロビ役)
偽造と変装の名人かつ、天才詐欺師。知識も含め警察官、僧侶、教師、アナリスト、清掃人などなどetc… なれない者はないほど変身してきた経歴を持つ。
韓国のトップモデルとして活動するチャン・ユンジュは映画「ベテラン(2015)」のミス・ボン役でスクリーンデビュー。「三姉妹(2020)」ではキム・ソニョン(「愛の不時着」北朝鮮のおばちゃん役)らと姉妹役で共演。増量して体型を変え酒浸りで自暴自棄な三女ミオクを体当たりで演じている。
キム・ジフン(ヘルシンキ役)
中国ヤンビアンの組織暴力団の一員だったが、組織壊滅のなかで唯一弟分のオスロとともに生き残った。
ドラマ代表作は「秘密の森(2017)」、「裸の消防士(2017)」、「模範刑事(2020)」など。映画は「優しい嘘(2014)」、「ノーザン・リミット・ライン 南北海戦(2015)」、「女は冷たい嘘をつく(2016)」、「操作された都市(2017)」、「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)(2017)」など。デンバー役のキム・ジフンと同姓同名。
イ・ギュホ(オスロ役)
ヘルシンキの弟分。兄貴分のヘルシンキとともに強盗団に参加。
巨漢の役どころはイ・ギュホと言われるほど端役でも存在感抜群の俳優、身長190cm。ドラマ代表作は「浪漫ドクター キム・サブ/キム・サブ2(2016-17/20)」、「ストーブリーグ(2019~20)」など。映画は「犯罪都市(2017)、「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)(2017)」、「ファイティン!(2018)マ・ドンソクと腕相撲対決するパンチ役」、「鬼手(キシュ)(2019)」、「#生きている(2020)」など。
イ・ジュビン(ユン・ミスン役)
統一造幣局の経理担当。チョ・ヨンミンの愛人。警察と連絡を取るためヨンミンに利用されるが、次第にストックホルム症候群となりデンバーに惹かれるようになる。
K-POPガールズグループ’Rainbow’の元練習生だったイ・ジュビン。女優デビューは遅咲きで28歳で出演したドラマ「耳打ち~愛の言葉(2017)」。翌年に大作「ミスター・サンシャイン(2018)」に端役で出演以来、10作のドラマに出演を重ね本作で重要なユン・スミン役をGET。チャーミングなルックスでこれからが楽しみな女優の一人。
キム・ソンオ(チャ・ムヒョク役)
北朝鮮側の人質救出作戦チームリーダー。人民保安省大尉。当初は交渉人ソン・ウジンとぶつかるが次第に信頼関係を築いていく。
24歳のときに映画「緊急措置19号(2002)」に端役でスクリーンデビューしたキム・ソンオ。以来、映画出演は27作を数え、ドラマ出演は40本に達する。最新作は映画「キング・メーカー(2022)」。ドラマ「最終兵器アリス(2022)」ではアリスの守護者ミスター・バンを演じている。
パク・ミョンフン(チョ・ヨンミン役)
朝鮮半島統一造幣局の局長。あの手この手で自分だけは助かろうと周りを利用し画策する。
米アカデミー賞を総なめした映画「パラサイト(2019)」の家政婦イ・ジョンウンの夫役として大ブレイクしたパク・ミョンフン。ドラマ「愛の不時着(2019-20)」ではソ・ダン(ソ・ジヘ)の叔父役(北朝鮮保衛局長少将)。
イ・シウ(アン・キム役)
駐韓アメリカ大使の娘。造幣局へ高校の社会見学に来ていた際、人質となる。状況を打破しようと臨機応変に立ち回る。
ドラマ「シーシュポス(2021)」でデビュー。同年「今日から契約恋愛」で初主演、「流れ星(2022)」でメインキャストを演じた新人女優。
予告編 | ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え
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