あの「愛の不時着」の視聴率を塗り替えた話題作「涙の女王」。田舎で農家を営む温かい家庭で育ったペク・ヒョヌ(キム・スヒョン演)と、財閥令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン演)の夫婦ロマンティックコメディ。
ドラマ評価 | ★4.3 |
OST評価 | ♫3.8 |
ジャンル | ロマンティックコメディ ヒューマン、家族 財閥、組織陰謀 |
概要 | 涙の女王
涙の女王 / Queen of Tears【原題】눈물의 여왕(ヌンムレ ヨワン)
tvN土日ドラマ(全16話)2024.3.9放送開始
2024.3.18 視聴開始〜 Ep16 視聴完了 2024.4.30
監督演出:チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン
脚本:パク・ジウン
企画/製作:CJ ENM / スタジオドラゴン、文化倉庫、ショロノース
音楽:ナム・ヘスン
制作費:400億ウォン(約46億円)
視聴率
初回視聴率:5.8%、最高視聴率:24.8%(第16話/最終話)、平均視聴率:15.68%
ざっくりあらすじ | 涙の女王
ペク・ヒョヌは、クイーンズグループの財閥令嬢と知らず、ホン・ヘインと結婚。ヒョヌは田舎の生まれ育ち。ソウル大学を卒業して弁護士となり、現在はクイーンズグループの法務理事として務めている。
完璧な才色兼備をそなえる大富豪のヘインと結婚したヒョヌはまさに勝ち組。しかし、自分の想像を超越する高慢なヘインとの夫婦生活はうまくいかず、我慢に我慢を重ねたヒョヌは結婚3年目にしてついに離婚を決意する。
そんなさなか、病魔がヘインを襲う。ヘインの余命があと3ヶ月であることを知ったヒョヌ。予想外の事態に直面した2人の運命はいかに……。
あらすじ | 第1~16話
「涙の女王」の第1話から第16話までのネタバレ含むあらすじ。
第1話
地方の田舎出身のペク・ヒョヌはソウル大学法学部を卒業し、クイーンズ百貨店法務部に就職。一方、留学から戻ったホン・ヘインはクイーンズ百貨店の次期社長就任前に、現場修行の一環として財閥令嬢であることを隠しインターンとして入社。日々、新人らしからぬ高慢な勤務態度のヘインを気に掛けていたヒョヌの心に、いつの間にか恋が芽生える。
ある雨の日、ヒョヌは退勤するヘインに傘を渡しながら彼女に告白。二人は交際を始めるが、ヘインの正体を知った途端、ヒョヌは退職届を出し帰郷する。しかし、気性の荒いヘインはヒョヌの田舎にヘリコプターで現れ、「私を放っておく気!」とヒョヌに迫り、結局2人は結婚する。
第2話
ヘインはクイーンズ百貨店社長となり、ヒョヌは法務部理事に。しかし、3年の月日の間、絶えないヘインとの行き違いや財閥ファミリーでの生き辛さから、ヒョヌは離婚を考えるようになる。ヒョヌにとって唯一のストレス発散は、バッティングセンター通いと友人と交わすビールだけだった。
第3話
ヒョヌは精神科を受診し、生活や仕事におけるストレスを打ち明け、定期的に通院するようになる。一方、身内のように振る舞う態度をヘインから非難されたクイーンズグループ秘書のグレースは、腹いせにヒョヌの元へ行き、ヘインが結婚前に作成した遺言状の内容を暴露する。そこには「自分に万一の場合が起きたときは、自分名義の現金や株式、不動産は会社に譲り、夫には一銭も渡さない」というものであった。
第4~16話
残りのエピソードでは、クイーンズグループの財産を虎視眈々と狙う、一家の同居人モ・スリ(イ・ミスク演)。さらに、ヘインの大学同期でM&A会社のユン・ウンソン(パク・ソンフン演)が登場し、ヒョヌとヘインの関係はさらに複雑になっていく。
ドラマ評論 | 涙の女王
結婚後に感じる幻滅や倦怠感といったよくある設定に留まらず、夫婦が互いに忘れていた純粋な愛を少しづつ取り戻していく心の揺れを見事に演出している。なんといってもキム・スヒョンとキム・ジウォン二人の機微に触れる繊細な演技が光る。さらに脇を固める個性ある俳優たちの熱演も、視聴者から高い評価を受けている。
世界中で大ヒットした「愛の不時着(2019-2020)」が保持していた歴代tvNドラマ最高視聴率21.7%を、本作「涙の女王」が最終回で24.9%と塗り替えたことがトピックスになっているが、両作品の背景も設定も(もちろん役者も)大きく違うため、単純に視聴率を比較することに意味はない。それぞれの作品を自由に楽しむ。それがいい。
K-トリビア | キム・スヒョンの出演料
本作16話の総製作費が約400億ウォン(約46億円)だが、このうちキム・スヒョンの出演料は1話につき8億ウォン(約9000万円)といわれている。総額にすれば128億ウォン(約14億7千万円)となり、総製作費の約1/3を占める。単独ギャラとして、これまでのすべての韓国ドラマ史上、最高額である。
キャスト | 涙の女王
キム・ジウォンとキム・スヒョン。2大スターのキャスティングが期待感をそそる。
キム・ジウォン(ホン・ヘイン役)子役:ファン・ジア、ミン・ソヨン
ヒョヌの妻。クイーンズグループ 常務取締役/クイーンズ百貨店社長。
クイーンズグループの三代目を継ぐ令嬢。子供の頃、家族旅行で行った先の海岸で、兄スワンとともに溺れ、兄だけが溺死したトラウマを持つ。その時を境に母から受けていた愛情が止まり、自分自身へ強迫観念とも言えるほどの自立を強いて生きてきた鉄の女。家族に対しても一切の妥協を許さない是々非々を信条としているその姿勢に家族のみならず社員たちも震え上がっている。
キム・スヒョン(ペク・ヒョヌ役)子役:ムン・ソンヒョン、チョ・イアン
ヘインの夫。クイーンズグループ 法務取締役/クイーンズ百貨店 法務チームリーダー。
ソウル大学法科大学院出身で優秀な弁護士。のどかな田舎で家族からたっぷり愛情を受けて生まれ育った末息子。両親や兄姉から受けた愛情をそのまま真っすぐ受け継いだ心優しい男。
ホン家(クイーンズグループ)
ホン・マンデ(キム・ガプス演)が一代で築き上げたクイーンズグループの家族と、このドラマのキーパーソンとなるモ・スリ(イ・ミスク演)が同居する一家。露骨な後継者争いに明け暮れる家族の姿は、ペク家と正反対。
クァク・ドンヨン(ホン・スチョル役)子役:キム・ジュニ
ヘインの弟、ダヘの夫。クイーンズグループ 専務取締役/クイーンズマート 代表。
幼いころから凄まじい姉ヘインに踏み潰されるようにして育ちながらも、天真爛漫さを失わずに今に至る。
イ・ジュビン(チョン・ダヘ役)子役:チェ・ナリン
スチョルの妻。孤児院出身であることを隠し、スチョルと結婚。子供の頃にボランティア活動で来院していたスチョルに目をつけ、「いつの日か彼と結婚して財閥家庭に入る」ことを目標に生きてきた。実際、裏ではユン・ウンソンとつながっている。
チョン・ジニョン(ホン・ボムジュン役)
ヘインの父。クイーンズグループ 副会長。財閥の息子として生まれたが争いを好まず、権力欲もあまりない。父ホン・マンデのように生きたくなかったため、家庭に重きを置くライフスタイルをもつ。
ナ・ヨンヒ(キム・ソナ役)
ヘインの母。クイーンズ百貨店 VVIPクラブ運営。かつて、長男スワンを溺死事故で亡くした悲しみを娘ヘインにぶつけるようになり、母娘の関係は最悪。その反動もあり、次男スチョルに対する偏愛がますます激しい。
キム・ジョンナン(ホン・ボムジャ役)
ヘインの叔母。虎柄の服は彼女のトレードマーク、歯に衣着せぬ性格。かつては父であるホン会長から溺愛されていた末娘。母が若いころに高血圧で亡くなったのは、家政婦モ・スリのせいだとし、彼女を激しく憎んでいるため、父とも疎遠になっている。
キム・ガプス(ホン・マンデ役)
ヘインの祖父。クイーンズグループ創始者で、会長。貧しかった若い時代、小さな小売店からスタートし、一代でクイーンズグループを築き上げた。妻を亡くしたのち、30年来家政婦として仕えるモ・スリを最も信頼し、家族以上に愛情を注いでいる。
ペク家
ヨンドゥリ村では、農業とスーパーを営む名士一家。温かさに満ち溢れた家族の姿は、ホン家と対象的。
チョン・ベス(ペク・トゥグァン役)
ヒョヌの父/ヨンドゥリの村長。ヒョヌがクイーンズの義理の息子になった日を境に、ヘオンの経済的バックアップで村の会館補修や子供たちへの奨学金など、さまざまな面で村に貢献した功績を認められ村長の座に就いた。
ファン・ヨンヒ(チョン・ボンエ役)
ヒョヌの母/ヨンドゥリスーパーのオーナー。ヨンドゥリの生まれ育ち。スーパーの仕事だけでなく、畑や果樹園、家事まで、明るくこなす逞しい女性。実質的な一家の大黒柱。
キム・ドヒョン(ペク・ヒョンテ役)
ヒョヌの兄/クイーンズボクシングジムを運営。元ボクシング選手、全国大会銅メダリスト。経済力はないが、情に厚く憎めない存在。
チャン・ユンジュ(ペク・ミソン役)
ヒョヌの姉/クイーンズヘアサロンオーナー。年下の夫はサンフランシスコで7歳の息子を連れて博士課程中であり、美容院を運営しながら夫と息子の留学費を出している。
キム・ドンハ(ペク・ホヨル役)
ヒョンテとヒョンスクの息子。将来の夢は不動産オーナー。年齢にそぐわないほどの洞察力で大人たちを見ている。
その他のキャスト
パク・ソンフン(ユン・ウンソン役)子役:イ・ジュウォン
ヘインの幼なじみ。モ・スリの隠し子。ウォール街アナリスト出身のM&A専門家、かつ投資家。幼い頃からサイコパスな一面を持ち、ヘインに想いを寄せている。
イ・ミスク(モ・スリ役)
ホン家の元家政婦、ウンソンの実母。30年間ホン・マンデ会長に仕えている、ホン家の同居人。ホン会長に対して誠実な態度を崩さないが、内心ではクイーンズグループの財産を虎視眈々と狙っている。
キム・ジュリョン(グレース・コ役/本名コ・チョンジャ)
クイーンズグループの秘書兼執事。ホン家とクイーンズグループの内情に精通している。グループ内のパワーゲームに機敏で、風見鶏的な立ち位置を心がけている。
ユン・ボミ(ナ・チェヨン秘書役)
ヘインの専属秘書。結婚3年目のワーキングマム。ヘインに対し、ときには歯に衣着せぬ助言をする腹心。
キム・ヨンミン(キム・ヨンソン役)
ヨンドゥリの村人。読書や音楽鑑賞を好む博学者。村では一風変わったケセラセラなライフスタイルをもつ。
特別出演
本作には、そうそうたる名優たちが特別出演してるのも見どころの一つ。
オ・ジョンセ(イ・ミヌ役)
ヒョヌの精神科主治医。
オ・ジョンセは2001年、映画「受取人不明」で俳優デビュー以来、70本の映画、41本のドラマに出演。多くの受賞歴を誇り、なかでも「椿の花咲く頃(2019)」、「サイコだけど大丈夫(2021)」にて、最高権威である『百想芸術大賞』の最優秀助演男優賞を2度受賞している名優。
イム・チョルス、コ・ギュピル(監視役)
ホン副会長に雇われたヒョヌの監視役。
舞台『カモメ』で2004年に役者デビューしたイム・チョルス。これまで31本の舞台をこなしてきた実力派。ドラマでは「ミスター・サンシャイン(2018)」、「愛の不時着(2019-2020)」、「浪漫ドクターキム・サブ2(2020)」、「ヴィンツェンツォ(2021)」、「ボイス4(2021)」、「還魂(2022)」、「今日のウェブトゥーン(2022)」、「京城クリーチャー(2023)」など、近年多くの話題作に欠かせない名脇役として活躍中。
コ・ギュピルは1993年、5人の子どもが主演したなかの一人として、映画「キッド・コップ」に11歳でデビュー。その後、34本の映画と59本のドラマで、常に印象に残るユニークな脇役を演じてきた。イム・チョルスとの共演は「愛の不時着」以来、4年ぶりとなる。
キム・シンノク(ヒョンスク役)
ヒョンテの妻、ヒョヌの義理姉。
2004年、舞台『サバイバル・カレンダー』でデビュー以来、47本もの舞台キャリアをもつベテラン役者、キム・シンノク。2021年に彼女が出演した「地獄が呼んでいる」で魅せた鬼気迫る演技のインパクトは強烈だった。その後は、以下のような幾多の話題作に引っ張りだことなる。「ある日(2021)」、「あなたの願いを言えば(2022)」、「模範家族(2022)」、「刑事ロク(2023)」、「ムービング(2023)」、「誘拐の日(2023)」、「スイートホーム2(2023)」。
ソン・ジュンギ(ヴィンチェンツォ役)
ヘインに雇われた新しい弁護士。ドラマ「ヴィンツェンツォ」そのままの役として登場する。
動画紹介 | 涙の女王
視聴者の声 | 涙の女王
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