タイムトラベルで1987年に閉じ込められた、2人の男女の不思議で美しい時間旅行。過去の連続殺人事件の真実を追う男ユン・へジュン(キム・ドンウク)と、両親の結婚を阻止しようとする女ペク・ユニョン(チン・ギジュ)が、互いの目標が繋がっていることに気づき、事件を解決していくストーリーを描く。
ドラマ評価 | ★3.8 |
OST評価 | ♫3.8 |
ジャンル | SF、タイムトラベル、 犯罪、サスペンス |
概要 | 偶然出会った、あなた
【原題】어쩌다 마주친 그대(オッチョダ マジュチン クデ)/ My Perfect Stranger
KBS2木金ドラマ(全16話)2023.5.1放送開始
2023.5.17 視聴開始〜 Ep16 視聴完了 2023.6.22
監督演出:カン・スヨン、イ・ウンヒ
脚本:ペク・ソヨン
企画製作:KBSドラマ本部
音楽:ケミ(カン・ドンユン)
視聴率
視聴率は伸び悩んだが、タイムトラベルものが好きな筆者にとっては、十分楽しめるドラマだった。
初回視聴率:4.5%、最高視聴率:5.7%(最終話、第16話)、平均視聴率:4.4%
ざっくりあらすじ | 偶然出会った、あなた
ユン・へジュンは放送局記者出身のアンカーで、常にクール。頭の回転が速く、ストレートな物言いが信条。遠回しに言うよりも、核心をついて掘り下げるのが彼のスタイルだ。たまに無表情にすばやく唱える謎解きのような言葉に対し、「イカれたやつ」と悪態をつかれることもある。しかし、しっかり耳を傾ければ血となり肉となる情報だということがわかる。
彼は…彼自身が気づかないほど、温かい心を持っている。ときには「質問」より「慰め」が必要な時があることを知り、自分のスピードを落として待つことを知る彼は、とても信頼できる大人の男だ。しかし同時に、非常に幼稚でひねくれたシニカルな少年の姿も併せ持っている。
ペク・ユニョンは出版社の編集者。有名で表面だけもっともらしい作家たちの “ケチで、みすぼらしく、幻滅する” 実態を見過ぎている。時節、「先生、最高!」と心にもないことを言いながら、仕事を完遂させる会社員でもある。
担当しているベストセラー作家コ・ミスクの “パワハラとクレーム” に悩まされてきた6年間。いつの間にかユニョンの人生は渇き始めていた。
普段、自分を苦しめる職場の上司にはお世辞を使いながらも、母だけには甘えからキツイ言い方もする。こうして、ときどきストレスが溜まってどうしようもない日には、母にストレスをぶつけ、発散したりする日々を送っている。
しかしその日、ユニョンが吐き出したその苛立ちが、母がこの世で聞く最後の言葉になってしまうとは…夢にも思わなかった。道端で言い合いになり別れた母は、その日の夜、“ウジョン村” という見知らぬ土地の川辺で遺体となって発見されたのだ。
涙で道を見失い、さまよっていたユニョンが偶然ウジョン村の石のトンネルをくぐろうとした瞬間、どこからともなく現れた“透明な”車がまるでユニョンを “押し出し、通過するよう” に過ぎて行った。気が付いたときには…うそのように1987年の過去に落ちていた。
このとんでもない事故でユニョンをひいた主人公は、ヘジュンだった。そしてユニョンが目にした1987年には、19歳の母がいた!
しかし、1987年の状況は2人をしきりにひとつの場所に絡めようとしてくる。呆れるほどに続いていく偶然が重なれば重なるほど、2人は次第にお互いがお互いに、とある運命の糸で繋がっているということを感じるようになるのだった。
ドラマ評論 | 偶然出会った、あなた
メイン舞台は1987年だが、ときどき2021年へ戻ったりするため、人物が新旧合い混じって、ちょっと困惑する。また、登場人物も多いので、誰が誰なのか? 覚えるまで数話分は集中して見る必要がある。しかし、これはタイムトラベルものにありがちな設定でもあり、好きな人には、じっくりと楽しめるし、徐々に感情移入が高くなっていく。
なにしろ主人公二人の演技が、魅力的なので飽きることはない。
タイムトラベルに付いて回る「過去が変われば未来を変えられる」のか、「何をしても未来は変わらない」のか? このジレンマを上手く脚本に乗せているあたり、作家の腕前は秀逸だ。
出演する他の脇役の役者たちの演技も良い。このあたりは、さすが韓国俳優の演技力の高さを証明していて、最後まで楽しめる作品となっている。
キャスト | 偶然出会った、あなた
キム・ドンウクとチン・キジュの初共演。
キム・ドンウク(ユン・ヘジュン役)
クールでまっすぐな性格のニュースキャスターで、頭の回転が速く、実直。核心から入るのが彼のスタイルだが、見た目以上に心は温かい。焦らずに相手に合わせる配慮もある大人の男。
しかし同時に、幼稚で偏屈でシニカルな少年の姿も持っている。
記者賞を2回も受賞したことのある、名アンカーとして仕事と人生を楽しんでいたある日、タイムマシンを手に入れてしまう。
キム・ドンウクは、本作と並行して、まったく同じタイミングで別のドラマ「有益な詐欺」でも主演を張っている。なんとも売れっ子の俳優だ。
チン・ギジュ(ペク・ユニョン役)
有名作家のわがままに振り回されながらも明るく耐える編集者。溜まったストレスをときどき、母にぶつけてしまうほど、少し甘えん坊な女性。
ある晩、母の死に悲嘆に暮れ一人トンネルを抜けようと歩いていたときに事故が起こる。
タイムマシンカーに乗ったユン・ヘジュンのクルマにはねられそうになったのだ。
チン・キジュは、ドラマ「ここに来て抱きしめて(2018)」でも、ヒロインで出演しているが、その頃と比べて、とても良い女優になった。やはり、彼女の持つ最大のチャームポイントは、溢れんばかりの笑顔。
ソ・ジヘ(イ・スネ役)
ウジョン高校3年生、後にユニョンの母となる。 純情な文学少女で読書家で、作家顔負けの文章力で日記を書いている。小説家になるのが夢。
イ・ジヒョン(2021年のイ・スネ役)
イ・ウォンジョン(ペク・ヒソプ役)
ウジョン高校3年生、後にユニョンの父親。 夢多きギター少年。単純だけど明るく一途な性格で、優しく愛嬌もよい。スネに一目惚れをする。
イ・ギュヒ(2021年のペク・ヒソプ役)
チ・ヘウォン(コ・ミスク役)
ウジョン高校3年生、スネの同級生。 後にユニョンが担当することになるベストセラー作家。冷たく知的な雰囲気。毎回スネと全校1位を交互に獲得するが、模範生ではない。
いつもどこか別の場所を見ている感じ。冷たい目つきに優しい微笑で何か頼むと、同級生の女の子たちは断れない秘めたパワーを持っている。
自宅には、エドガー・アラン・ポー、サマセット・モーム、キム・ソンジョンの推理小説や正体不明の哲学書がある。生命体を殺す様々な方法を集めることに興味を持っている。
キム・ヘウン(2021年のコ・ミスク役)
チョン・シネ(チョンア役)
ウジョン村、ポンボン喫茶のオーナー。お店に来る学生たちを静かに受け入れる、力強く美しい女性。
チェ・ヨンウ(ドンシク役)
ヒソプの叔父で、ウジョン警察署の殺人課刑事。
パク・スヨン(イ・ヒョンマン役)
スネの父親。後にユニョンの祖父。
キム・ジョンヨン(オクジャ役)
スネの母親。後にユニョンの祖母。
ホン・ナヒョン(イ・ギョンエ役)
美容院で働くスネの姉。
キム・ジョンス(ユン・ビョング役)
ウジョン高校の校長兼理事長。ウジョン村一番の資産家。村のことを程なく把握している。
チョン・ジェグァン(ユン・ヨヌ役)
ユン・ビョングの長男。アメリカでの長い留学生活を終え、機械工学専攻の優等生として帰ってきた。
動画紹介 | 偶然出会った、あなた
視聴者の声 | 偶然出会った、あなた
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