「有益な詐欺」は、共感能力がない詐欺師と共感しすぎる弁護士、正反対な二人が悪に挑む復讐劇。チョン・ウヒとキム・ドンウクの演技力が光るスリル満点のドラマ。二人の恋愛や復讐の行方に目が離せない。スタジオドラゴン最新作の復讐劇は、U-NEXTで独占配信されているので、ぜひチェックしてみてほしい。
ドラマ評価 | ★3.8 |
OST評価 | ♫3.6 |
ジャンル | 法廷、犯罪、 ヒューマン |
概要 | 有益な詐欺
【原題】이로운 사기(イロウン サギ)/ Delightfully Deceitful
tvN木金ドラマ(全16話)2023.5.29放送開始
2023.6.2 視聴開始〜 Ep16 視聴完了 2023.7.21
監督演出:
脚本:ハン・ウジュ
企画製作:スタジオドラゴン
音楽:キム・ジュンソク、チョン・セリン(ムービークローズ)
視聴率
初回視聴率:4.5%、最高視聴率:4.5%(第1話)、平均視聴率:3.75%
ざっくりあらすじ | 有益な詐欺
主人公のイ・ロウム(チョン・ウヒ演)は、幼少期に天才少女として注目されていたが、尊属殺人事件の犯人として刑務所に入れられる。実は、内面に深い傷を持ち、共感力が乏しい詐欺師である 。
一方、ハン・ムヨン(キム・ドンウク演)は、無罪判決を受けて出所することになったロウムの弁護人だ。クールな顔立ちとは裏腹に、同調性・共感力が強く、精神科に通っている 。
10年後、ロウムの両親を殺害した真犯人が別にいるというニュースが流れる。ロウムは復讐をするために詐欺を働こうとたくらむが、ムヨンは彼女に協力するか否か、逡巡する。
結局、二人は赤目財団という悪の組織に立ち向かうために、さまざまな詐欺を仕掛ける。しかし、その過程で正反対な二人の間に微妙な感情が生まれはじめる。
ロウムは自分の利益のためなら人を利用する手段を選ばないソシオパス。しかし、ムヨンに対してだけは本当の気持ちを抱くようになる。ムヨンもロウムに惹かれていくが、彼女の正体や過去を知っても、彼の気持ちは変わらないのであろうか。
おまけ | 第1話 あらすじ
ロウムは幼少期に天才として注目されていたが、両親は殺害され犯人によって家を燃やされ、その罪を擦り付けられ刑務所に入れられる。刑務所でも嫌がらせをされるなど可哀そうなロウムだが感情を隠し、ただ時間が過ぎていくだけだった。
ムヨンは弁護士として詐欺を暴くなど実力は確かだが、まるで機械のように冷たく自分を出さないでいた。ただムヨンは弁護のことになると、共感しすぎてしまい熱くなってしまう。
あの事件から10年経ち、尊属殺人事件の犯人は別にいるとニュースで報道される。収監されている囚人は無意味だったことが世に出回る。そのニュースを見ていたムヨンは、共感しすぎると頭痛や耳鳴りなどをしてしまう病気で、今回、えん罪だったロウムに対してたまらない思いになってしまう。
そして皮肉にも、ロウムの両親を殺害した犯人の弁護人することになり「ひどすぎる犯人」に怒りの感情を抱く。
裁判判決の日、ムヨンが独断で犯人の弁護をせずにロウムの弁護をしたことによってロウムは無罪になり、10年ぶりに外に出られることになる。
ロウムは助けてくれたムヨンに対して、「涙を見せて優しくされたのは久しぶり」と心を許したのだが、実はロウムは「自分の利益のためなら人を利用する手段を選ばない」ソシオパスだった。
ドラマ評論 | 有益な詐欺
このドラマの魅力は、チョン・ウヒとキム・ドンウクの豪華共演と、二人のキャラクター設定だ。
幼少期に天才として注目されていたが、両親を殺害された上に犯人に仕立てられた過去を持つイ・ロウム(チョン・ウヒ演)。
こういった内面に深い傷を持ち、共感力が乏しい詐欺師として生きているロウムの複雑な心理描写を、チョン・ウヒが見事に演じている。
ロウムが復讐のために変身する詐欺っぷりと、ツンデレぶりを変幻自在に演じるチョン・ウヒは、見応えある。
対して、無罪判決を受けて出所することになったロウムの弁護人ムヨンを演じるキム・ドンウク。
彼のクールな顔立ちとは裏腹に、同調性・共感力が強すぎるという役どころ。己の心を正常にコントロールするため、精神科に通っている弁護士という難しい役柄を演じるキム・ドンウクの表情に注目。
常に冷静で落ち着いた弁護士でありつつも、心に難ありの役を演じるキム・ドンウクの振り幅は、見どころがある。
ただ、ストーリー全体が複雑に絡み合う登場人物やそれぞれの設定が、若干ややこしいので、気を抜いて鑑賞すると、ドラマの展開が分からなくなりそうなのが難点。
一方、入り組んだスリリングな展開が好きな人には楽しめる作品だ。
キャスト | 有益な詐欺
こちら相関図を参照。
チョン・ウヒ(イ・ロウム役)
天才的な頭脳と記憶力を持つ詐欺師。10年前に尊属殺人事件の犯人として冤罪を着せられ、10年間も刑務所に入れられる。真犯人が別にいることが発覚し、出所後に復讐を計画する。
チョン・ウヒは、2004年の映画『恋する神父』でデビューし、2011年の映画『サニー 永遠の仲間たち』で注目を集めた。2014年には映画『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』で青龍映画賞主演女優賞を受賞し。演技派として知られる一方で、YouTubeチャンネルで様々なチャレンジをする姿も見せている。
キム・ドンウク(ハン・ムヨン役)
常にクールな弁護士。しかし、共感能力が高すぎて身体的な症状に悩まされる患者でもある。ロウムの出所を助けた後、彼女と協力と対立を繰り返しながら絶対悪に立ち向かう。
キム・ドンウクは、2004年に映画『スンフン』でデビュー。2007年にドラマ『コーヒープリンス1号店』で人気を博し、日本でも知られるようになる。その後も映画『国家代表!?』やドラマ『客-ザ・ゲスト』など、さまざまな役柄に挑戦している。2021年のドラマ『君は私の春』で精神科医役を演じ、高い評価を得た。ゆうに10を超えるさまざまな受賞歴を持つ実力派俳優。
彼が人気俳優である証とも言えるのが、本作と同時に配信されている、ドラマ「偶然出会った、あなた」にも主人公として出演していることだ。
ユン・バク(コ・ヨハン役)
ロウムの保護観察官。ロウムの行動を監視しながら、彼女に興味を持つ。しかし、ロウムの復讐計画に巻き込まれてしまう。
ユン・バクは、2010年にバンド「キャント・プレイ・ウェル」のドラマーとして音楽祭に出演したのが、芸能界デビュー。2012年に「私の唇を読んで」で、ドラマデビュー。2014年の「私の家族はどうなりますか?」で初主演。その後、毎年ドラマ出演を続け、ドラマ『君は私の春』でも、キム・ドンウクと共演している。2023年には「ドクタースランプ」を控えている。
パク・ソジン(モ・ジェイン役)
精神科医でムヨンの主治医。ムヨンの共感能力の問題を治療する一方で、彼に恋心を抱く。しかし、ムヨンはロウムに惹かれていく。
パク・ソジンは、2010年にK-POPガールズグループ “Girl’s Day”のリーダーとしてデビュー。作詞作曲もする才女。ほかメンバーのミナ、ユラ、ヘリも女優へ進出している。2014年に『最高の結婚』で女優デビュー。その後は、グループが解散する2019年まで、二刀流をこなしていた。『ストーブリーグ』『私を愛したスパイたち』『流れ星』『魂の錬金術』『ボラ!デボラ』など、引っ張りだこの人気女優。
イ・ヨン(チョン・ダジョン役)
ロウムの幼馴染で親友。ロウムが刑務所に入っている間も彼女を信じて待っていた。天才的なハッカーで、ロウムの復讐計画に技術的なサポートをする。
イ・ヨンは、2018年映画「アノニマス」でデビュー。2022年Netflixドラマ『未成年裁判/原題:少年審判』でブレイクした役柄は、なんと少年。当時、28歳だったのが驚きだ。この作品で受賞は逃したが、百想芸術大賞の最優秀新人女優賞にノミネートされている。
ホン・スンボム(リンゴ役)
ロウムの仲間の詐欺師。本名はパク・ヘドン。ロウムと一緒に赤目財団から金を奪おうとする。
ユ・ヒジェ(ナサ役)※少年時代役は、キム・ジュノ
ロウムの仲間の詐欺師。本名はナ・スホ。クルマ修理工場を営んでいるが、子供時代の赤目財団での経験が彼を苛(さいな)んでいる。
動画紹介 | 有益な詐欺
視聴者の声 | 有益な詐欺
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