【5つ星評価 ドラマ★5.0(満点!) / OST⭐5.0(満点!)】 ✍🎓🏫👨🎓ヒューマンドラマ、高校生活、教育、大学入試、医学部、大学受験、受験戦争💥親子愛、家族、塾、勉強、近所付き合い👩🏫👨👩👦❤
韓国で社会現象を起こした話題作。
ざっくりあらすじ | SKYキャッスル~上流階級の妻たち
韓国一の名門、ソウル大学医学部へ入れるため、手段も選ばず血眼になる親のエゴ。
SKYキャッスル住人たちが繰り広げる大学入試・受験戦争に人生のすべてを掛ける家族群像。
そして、ソウル大学医学部へ100%合格を保証する特別コーディネーターの存在。
そんな世界にノーマルな愛情を示す新しい家族の登場。
概要 | SKYキャッスル
(原題:SKY 캐슬 / Skycastle)
JTBC 金土ドラマ(全20話)2018年11月23日 放送開始
企画:JTBC
プロデューサー:キム・ジヨン、チュ・サンギュ
製作:HBエンターテニンメント、ドラマハウス
監督・演出:チョ・ヒョンタク(조현탁)
脚本:ユ・ヒョンミ(유현미)
2018.12.13から視聴開始〜 ep16 鑑了 2019.01.17
ドラマ評論 | SKYキャッスル
あ~ぁ。ついに観終えてしまった。なんとも名残惜しい。こんな気持になったのはずいぶん久しぶりだ。
ドラマ評価もOSTも初のダブル満点★5 / ☆5を出してしまうほど、近年にない名作ドラマの誕生だ。
出演したキャストのキャラクターをこれほど全員に行き渡って細かく描き切ったドラマは、あまり過去に例がないほど緻密な脚本。もの凄くおすすめのドラマ。(2019年2月2日)
一流大学至上主義、上流階級、そして権力・権威に対するアンチテーゼ的ドラマだ。ドラマの表には主婦たちが立ってるが、核心は子どもたちの成長だ(大人たちも成長するのだが)。
受験戦争に揉まれていく大人たちの心理も 子どもたちの心理もよく描かれていて、今年一番の作品かもしれない(2018年12月25日)。
登場人物がやたら多いので、人間関係を把握するまで しばらくはちょっと大変だが、辛抱して観る価値あり。
人生、教育、父権、モラル、エゴ、価値観 etc。人としての生き方を問うリアルハードドラマだ。受験に悩む親子必見。
緻密な脚本と演出が、登場人物一人ひとりを細かく描写し、その心理をあぶり出し切っており、計算しつくされた作品だ(脚本家ユ・ヒョンミの筆力に脱帽)。
カメラワーク、カット割り、美術、編集も素晴らしい。
また、キャスティングされた全員が その脚本に対して見事な演技で応えている。キャスティング、オーディションに尽力したスタッフに乾杯。
このドラマに出演した俳優・女優たちにとってこの作品は、今後の彼ら彼女らの芸能人生を相当豊かにしてくれるだろう。
視聴率 | 歴代最高視聴率を達成
あの『ミスター・サンシャイン』、『トッケビ』を超えた! 回を追うごとにぐんぐん上昇する視聴率の勢いは凄かったー。
“SKYキャッスル”。
タイトルだけを見ると、選ばれた者だけが住める世界を描く軽薄な金持ちドラマかと思ったら、大間違い。もの凄く深いドラマだ。
韓国の視聴者も恐らく同様に感じていたのかも知れない模様が、視聴率の変化に見て取れる。
視聴率がうなぎ登り
初回放送では視聴率がたったの 1.7%だったのが、2話では 4.3%にジャンプアップ。
続く3話には 5.2%、4~5話で 7.5%。6話では 8.9%、7話で 8.4%。8話で 9.5%、9話で 9.7%。
10話目で一気に 11%台に乗せ、12話で 12.3%、13話 13.2%、14話 15.7%、15話 16.3%。
とりわけ非地上波テレビ(ケーブルテレビ系)でこの数字は異常な高さであり、tvNの2大お化けドラマ『トッケビ/18.7%』、『ミスター・サンシャイン/18.1%』が保持していた最高視聴率をついに超え、16話では 20%に迫る 19.2%まで右肩上昇を続けている。首都圏のソウルでは、21%まで上昇した(2019年1月17日現在、JTBC史上最高視聴率でもある)。
回を追うごとに 1%以上視聴率を上げ続けた事例は、地上波・非地上波問わず私が知る限り韓国ドラマ史上初だと思われる。
社会現象まで引き起こした
こういった現象が起きたのは韓国社会における過剰な教育熱や手段を選ばない上流志向に対する批判を全面に打ち出したドラマであることが、広く大衆に受け入れられた格好だ。
韓国社会では”SKYキャッスル”シンドローム現象が大きく広がり、SKYキャッスルのファンは「SKYキャッスラー」と呼ばれるほどになった。
韓国で社会現象を起こした制作秘話はこちら(韓国の記事なので翻訳機能で読んでみてください) 》 一問一答「SKYキャッスル」が結局言いたいこと
歴代最高視聴率23.7%を達成
歴代最高視聴率を大幅に上回る23%超えの快挙達成。
初回視聴率:1.7% 最高視聴率:23.77%(最終話) 平均視聴率:12.5%
🖊追記記事(2019年2月3日)
JTBCの『SKYキャッスル』がついに最終話で最高視聴率23.7%を記録し、有終の美でドラマの幕を下ろした。
『トッケビ(18.68%)』、『ミスター・サンシャイン(18.13%)』(ともにtvN)が打ち出した非地上波局における最高視聴率は当分の間抜かれることはないだろうと筆者は予測していただけに、こんなに早く期待を裏切るドラマが現れるとは夢にも思っていなかった。嬉しい誤算だ。
平均視聴率は歴代3位
『SKYキャッスル』の平均視聴率は 12.5%と、『トッケビ(12.81%)』、『ミスター・サンシャイン(12.95%)』に惜しくもあと一歩届かなかった。
しかし『トッケビ』や『ミスター・サンシャイン』などのブロックバスター作品と違い、『SKYキャッスル』の予算は圧倒的に低い上、第1話の1.7%からはじまり第9話の9.7%まで10%以下だったことを考えると最終的に12.5%まで押し上げたのは驚異的と言える。
SKYキャッスルの平均視聴率が語る凄さについては、こちらの記事 》
配信 | SKYキャッスルは、3つのOTTで視聴可能
SKYキャッスルは以下のオンデマンド/OTTで配信されている。さすが名作だけある。
キャスト | SKYキャッスル
出演しているほぼすべての役者たちの名演技を堪能できる素晴らしいキャスティングとなっている。
キム・ボラ(キム・ヘラ役)
シナ高校で常に圧倒的トップ成績を誇る天涯孤独の高校生。
👨👩👦カン家の家族
SKYキャッスル住人の中で、最も成功している家族。
ヨム・チョンア(ハン・ソジン / クァク・ミヒャン役)
カン・チュンサンの妻。長女をソウル大学へ入れるため、必死に動く。
チョン・チュノ(カン・チュンサン役)
クァク・ミヒャンの夫。チュナム大学病院 チーム長。
キム・ヘユン(カン・イェソ役)
カン・チュンサンの長女。シナ高校生、成績はいつもキム・ヘラに後塵を拝するNo.2であることに、いつも苛立ちと怒りを抱えている。
イ・ジウォン(カン・イェビン役)
カン・チュンサンの次女。中学生。優秀な姉の下、明るい性格ながらもコンプレックスに苦しんでいる。
👪ファン家の家族
他のSKYキャッスル家族とは一線を画す、一般常識的な価値観を持つ家族。
イ・テラン(イ・スイム役)
ファン・チヨンの妻、児童作家。
チェ・ウォニョン(ファン・チヨン役)
イ・スイムの夫。チュナム大学病院 センター長。
チャン・ヒ(ファン・ウジュ役)
ファン・チヨンの長男。シナ高校生。
👨👩👦チャ家の家族
典型的な封建主義の夫と、典型的な内助の功をつくす妻。
ユン・セア(ノ・スンヘ役)
チャ・ミニョクの妻。
キム・ビョンチョル(チャ・ミニョク役)
ノ・スンヘの夫。チュナム大学法学部教授。
キム・ドンヒ(チャ・ソジュン役)
チャ・ミニョクの長男、双子の兄。シナ高校生。
チョ・ピョンギュ(チャ・ギチュン役)
チャ・ミニョクの次男、双子の弟。シナ高校生。父の封建主義に反発する。
チョ・ピョンギュは、新進気鋭の俳優22歳。菅田将暉くんに瓜二つ。
パク・ユナ(チャ・セリ役)
チャ・ミニョクの長女。ハーバード大学在学中。父の権威主義に従順なふりをしながら、米国で自由に暮らしている。
👨👩👦ウ家の家族
SKYキャッスル住人のしきたりに従いつつ、穏便に暮らそうとしている家族。
オ・ナラ(チン・ジネ役)
ウ・ヤンウの妻。
チョ・ジェユン(ウ・ヤンウ役)
チン・ジネの夫。チュナム大学病院の医師。
イ・ユジン(ウ・スハン役)
ウ・ヤンウの長男(中学生)。
👨👩👦キム家の家族
かつて天才少女の名を欲しいままにしていた時代が忘れられず、SKYキャッスル住人のエリート意識を刺激かつ、利用しながら氷のように生きている母。
キム・ソンヒョン(キム・チュヨン役)
ソウル大入学査定官出身の敏腕入試コーディネーター。
チョ・ミニョ(ケイ / キャサリン役)
キム・チュヨンの娘。事故に遭う前、幼少期は天才少女だった。
イ・ヒョンジン(キム・チュヨンの秘書役)
SKYキャッスルの平均視聴率が語る凄さ
SKYキャッスルの平均視聴率が実はもの凄い3つの理由についてちょこっと。
❶キャスティングの違い
大型スターを起用したtvNと、脇役系女優を起用したJTBCの違い。
『トッケビ』はコン・ユを主役に立て、tvNの開局10周年特別企画として制作された。『ミスター・サンシャイン』は『IRIS / アイリス』以来9年ぶりドラマ出演のイ・ビョンホンを抜擢。
一方『SKYキャッスル』の主役は女性5人。ヨム・ジョンア、イ・テラン、ユン・セア、オ・ナラ、キム・ソヒョンだ。
❷製作費の違い
『SKYキャッスル』が約75億ウォンで製作されたのに対し、『トッケビ』の製作費は約150億ウォン(1話 / 9億ウォン)。
『ミスター・サンシャイン』は、破格の総製作費430億ウォン(43億円)かけたブロックバスター・ドラマである。(※1)ブロックバスター とは 》
ちなみに『太陽の末裔』は、約130億ウォン。
❸製作陣
『トッケビ』、『ミスター・サンシャイン』と同じ製作陣で臨んだことが大きい。企画・制作にスタジオドラゴン、監督・演出にイ・ウンボク、脚本にキム・ウンスクという韓国ドラマNo.1のヒットメーカートリオなのだ。
制作発表前からメディアに大きく取り上げられ話題となっていた『トッケビ』、『ミスター・サンシャイン』に対し、『SKYキャッスル』がこの2作品に肉薄する平均視聴率 12.5%を記録した凄さがわかっていただけただろうか。しかも『SKYキャッスル』が当初まったく期待もされていなかったのが、初回視聴率の 1.7%に如実に現れている。
🎥スタジオドラゴンによる企画・制作
スタジオドラゴンが企画する作品は総じて面白いドラマが多い。おすすめのドラマを少し紹介。
『青い海の伝説(SBS/2016)』、『トッケビ(tvN/2016)』、『THE K2(tvN/2016)』、『内省的なボス(tvN/2017)』、『ボイス(OCN/2017-2021)シリーズ』、『秘密の森(tvN/2017)』、『デュエル(OCN/2017)』、『ハベクの新婦(tvN/2017)』、『クリミナル・マインド(tvN/2017)』、『医心伝心~脈あり!恋あり?~名不虚伝(tvN/2017)』、『ブラック~恋する死神(OCN/2017)』、『愛の迷宮~トンネル(OCN/2017)』、『シカゴ・タイプライター(tvN/2017)』、『マザー(tvN/2018)』、『パンドラ~小さな神の子供たち(OCN/2018)』、『ライフ・オン・マーズ(OCN/2018)』、『知ってるワイフ(tvN/2018)』、『アルハンブラ宮殿の思い出(tvN/2018)』、『プレーヤー~華麗なる天才詐欺師(OCN/2018)』、『客 ザ・ゲスト(OCN/2018)』、『ミスター・サンシャイン(tvN/2018)』など。
🎬イ・ウンボク監督の代表作
『太陽の末裔』、『トッケビ』、『ミスター・サンシャイン』。
🖊キム・ウンスク作家の代表作(脚本)
『パリの恋人』、『シークレット・ガーデン』、『太陽の末裔』、『トッケビ』、『ミスター・サンシャイン』。
OST評論 | SKYキャッスル
ドラマの決定的なシーンでかかる サントラ『We All Lie(하진 / ハジン)』は、名曲だ。昨今の韓国ドラマ OSTのなかでも群を抜く。
このメインテーマは、映画レベルの出来だ。
♪ We All Lie~ ♫~と、ハジンの歌声が響いた瞬間、鳥肌が立つほど、その場面の感動をさらに深く呼び起こす。
2018年 – 2019年度の最優秀OST曲に押したい。
✒ 編集後記 | SKYキャッスルで感じたこと
『SKYキャッスル』を観終えて感じたこと。
人生、どんなに最悪な状況に陥っても自分を含めまわりの誰か一人かでも「諦めない心・相手を思う気持ち・優しさ・愛」を持っていさえすれば希望がある。ということなんだなぁ、とあらためて気付かされたかな。
実は『SKYキャッスル』と同時期に類似のテーマを掲げたドラマがある。『ボクスが帰ってきた』だ。
『SKYキャッスル』はドラマの視点を上流階級と進学高校に置いてるが、『ボクスが帰ってきた』は真逆で、庶民の立場から見た高校教育を問うている。
この2つのドラマは、「教育のあり方」が共通のテーマなので、教育に関心のある方は見比べて観てみるのも一考の価値がある、と思う。
予告編 | SKYキャッスル
視聴者の声
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