良くも、悪くも、だって母親【原題】나쁜 엄마(ナップン オンマ)悪い母 / The Good Bad Mother ★4.0 ラ・ミラン、イ・ドヒョン、アン・ウンジン

4つ星ドラマ

世の中には面白くて良い話がたくさんある。
完璧に練られたサスペンススリラー、感覚をくすぐるロマンス、想像力を引き立てるSFファンタジー。刑事や法廷、医療など、いろんなジャンルがある。
そんな物語を見ながら、考えるんだ。
俺は、どんな話を書きたい作家なんだろう?

我々は、仮想現実、AI、IoTなど、革新的な文明が襲ってくる現代を生きている。
コミュニケーションや協力、耐え忍び、思いやりをしなくても、すぐに欲しいものを手に入れられる新しい世界の前に。我々は病的に熱狂したり、ついていけなくて絶滅したりする二極的な生活を送っている。
既に知識と情報で武装したMZ世代だけでなく、大多数の人々にとっても、共感と思いやりという言葉は何となく見知らぬもの。不公平なことになってしまった気がする。

共感と思いやり…そして…全てを可能にするもの…それが愛だ。
俺は、愛についての話をしたかったんだ。
一見すると、とても古臭くて観念的に聞こえる言葉だ。
しかし、愛こそが、厳しい、断絶したこの時代を生きる我々に最も必要なものではないかと思うんだ。我々は愛する時に生きていると感じる。愛を受けると、何も恐れずに進む勇気が湧く。「悪い母」は、そんな愛についての物語。

「悪い母」には、多くの愛が登場する。
運命のように入り込んで、渇ききったガンホの人生に息を吹き込んだ初恋。
愛する人のために全てを捧げるミジュの熱い愛。
一途に一人だけを見つめ続けるサムシクの片思い。

長い年月を共にし、互いに頼り合った村長、青年会長夫婦の固い愛。
家族のように心配し、支え合うジョウリ村の人々の温かい愛。


そして…この世で最も普遍的で絶対的な愛…それは、子どもへの母親の愛だ。
この愛は、母だけが子に与えられる不変で永遠の不死鳥の愛。


厳しい試練の中でも崩れたり変わったりしない子どもへの母親の愛を、我々はみんな知っている。
母から受けたその愛を思い出すなら、この困難な時代のちっぽけな自分が、どれほど愛すべきで価値ある人間だったかを思い出せるだろう。

我々の物語「悪い母」が、この厳しい時代の人々に少しでも希望を与えてくれたら嬉しい。
養豚場で唯一生き残り、ヨンスンの希望となった母豚のように。

JTBC「悪い母」公式サイトより引用

ドラマ評価★4.0
OST評価♫4.0
ジャンルヒューマン、
復讐劇、家族

概要 | 悪い母

【原題】나쁜 엄마(ナップン オンマ)悪い母/ The Good Bad Mother

JTBC水木ドラマ(全14話)2023.4.26放送開始
2023.5.16 視聴開始〜 Ep14 視聴完了 2023.6.9

監督演出:シム・ナヨン
脚本:ペ・セヨン
企画製作:SLL、ドラマハウス、フィルムモンスター
音楽:ハ・グニョン

視聴率

初回こそ、3.5%でスタートしたが、回を重ねるごとに右肩上がりに視聴率が上昇。最終的には12%(最高視聴率)に乗せ、有終の美を飾った格好だ。同じJTBCドラマ「梨泰院クラス」の最高視聴率16.5%と比べても、良い結果。

初回視聴率:3.59%、最高視聴率:12.03%(最終話/第14話)。平均視聴率:8.16%

ざっくりあらすじ | 悪い母

ヘシクとヨンシク夫婦は養豚場で幸せな生活を送っていた。だが、聖火リレーのルートに養豚場が含まれることになり、ソン・ウビョクが土地を譲るよう迫った。ヘシクは拒んだが、養豚場は焼かれ、彼はウビョクを訴えた。だが、証言を強制された村人たちの裏切りにより、ウビョクは無罪に。ヘシクは証拠を検事のオ・テスに託したが、道中でウビョクに殺され、自殺に偽装された。

妊娠中のヨンシクは夫の死を乗り越え、夫が残した貯金でジョウリ村に農場を買う。自分で養豚場を始めることを決めたのだ。しかし、村の人々は反対し、彼女と対立。それでもヨンシクは前向きに生きていき、村の女性たちの助けを借りて男の子を出産。夫が命名していたチェ・ガンホと名付けた。

村のチョさんとヨンスンは同じ日に出産、子どもたちは運命的な存在に。サムシクはガンホをイジメるが、ミジュが常に救いの手を差し伸べる。ガンホは学問に励み、ミジュは家庭の問題に直面する。

高校時代のある日、サムシクのイタズラでガンホを学校倉庫に閉じ込めた。しかし、そこにはミジュもいたのだ。半日もの時間を倉庫で過ごす二人。なにもせず、ただじっと本を読み耽るガンホにいらだつミジュの姿があった。

ガンホの大学入試の日。ミジュが事故に遭い、ガンホは試験を放棄して彼女を病院に連れて行く。

このことで母ヨンスンは激怒。しかし、ガンホは自分の人生を主張。それでも、結果的にガンホは冷酷な検事になる道を選ぶことになる。

ドラマ評論(ネタバレありあり)| 悪い母

開始早々、ヘクスの不当な死にはつらかった。しかしヨンスンの養豚場経営の決意は素晴らしい。ただ、ガンホを厳しく育てた結果、父親を殺した人間同様になってしまう皮肉が込められている。村民たちの個性は話に彩りを与えている。

悪徳検事となったガンホは、ソン・ウビョクに近づく。彼の接近はウビョクの罪を知り打倒するためではなかったのか? また、オ・ハヨンに近づいたのは父のオ・テスに接触するためだったのか?

トラップにかけられたガンホが崖から車で落ちるシーンはなんともいえない。その結果、半身不随となり精神年齢7歳になってしまう。このあたりから「このドラマは一体どうなってしまうのか」と、ヤキモキする。

このように初回から3話あたりまでは、急速に話が展開していくので目まぐるしい。

最後に、ガンホがテスとウビョクの悪事をどう暴くのか。ヨンスンとガンホが残りの時間をどう過ごすのか。お楽しみに。

Netflixで視聴!

キャスト | 悪い母

名優ラ・ミランを主役に、若手大型俳優のイ・ドヒョンのタッグ。くせ者俳優陣を脇に揃えた豪華キャスト。

ラ・ミラン(チン・ヨンスン役)

将来、力のある大人として生きていけるために、息子に異常なほど厳しい母。息子が妊娠中に、愛する夫を殺され、女手一つで養豚場を経営している。

ラ・ミランは、韓国で名優の一人にあげられる。コミカルな演技力と深みのある人間描写に定評がある。ドラマ、映画の両方で幅広い役柄をこなし、その多才な才能は、監督やキャスティングディレクターから高い支持を得ている。

テレビドラマ「恋のスケッチ〜応答せよ1988(2015)」で人気を博した。そのリアルな演技とキャラクターの深みが視聴者から大いに賞賛された。多くの視聴者が共感できるようなリアルなキャラクターを演じることで、注目を浴びた。

ドラマ「甘くない女たち~付岩洞(プアムドン)の復讐者(2017)」で主演を務め、その強烈なスクリーンプレゼンスと揺るぎない演技力で視聴者を魅了した。この作品でのパワフルで複雑なキャラクター描写は、彼女が演じるキャラクターの一面一面を深く掘り下げることができることを証明した。

そして本作の「悪い母」で、母親のリアルな描写を通して、再びその卓越した演技力を見せつけた。

彼女の演技は、共感とリアルな人間描写の深さを重視しており、視聴者が彼女の演じるキャラクターと深くつながることを可能にしている。ラ・ミランは、韓流ドラマ界における真のパワーハウスだと言えるだろう。

イ・ドヒョン(チェ・ガンホ役)

ヨンスンの一人息子で、首席で大学を卒業し、首席で検察官となる。謀られた交通事故で、半身不随・記憶喪失となり、7歳の子どもとして家へ戻ってくる。

イ・ドヒョンは、若くしてその俊越な演技力で名を馳せている韓国の新進気鋭の俳優。彼がドラマ界で初めて注目を集めたのは、KBSの大ヒットドラマ「ホテルデルーナ」。主人公のIU(イ・ジウン)相手に、彼は滅亡した高句麗の護衛隊長役を熱演し、視聴者の心をつかんだ。

その後、ドラマ「18 アゲイン」では、中年男性が18歳の高校生に戻るというファンタジー要素を含んだ物語で主役を務め、そのナチュラルで心に訴えかける演技で視聴者を魅了した。この役で彼は、2021年MBC演技大賞で男性新人賞を受賞し、その卓越した演技力が認められた。

そして最新作である本作で、冷静な検事から記憶をなくした7歳児までという振り幅の大きい役を見事に演じ切り、さらなる進化を見せつけた。彼の誠実で多面的な演技は、視聴者に深い感銘を与えた。

アン・ウンジン(イ・ミジュ役)

ガンホと同じ日に生まれた幼馴染。子どもの頃から一途にガンホだけを見て青春時代を過ごす。ガンホの元恋人でネイルアーティスト。今はシングルマザーとして双子の子どもたちを育てている。

アン・ウンジンは、その卓越した自然な演技力で視聴者の心をつかんでいる。彼女が最初に注目を集めたのは「賢い医師生活(パート1、2)」。新米看護師を演じ、その親しみやすさのある演技力で視聴者を魅了。この作品で彼女は、2020年Asia Artinst Awardsでフォーカス賞を受賞。

本作「悪い母」では、ガンホに捨てられた女心の傷を押し隠し、双子の子どもを育てる健気な姿と、ガンホに対する母性愛の姿をナチュラルに演じ、視聴者の共感を大いに得た。彼女の今後のキャリアが期待される。

ユ・インス(パン・サムシク役)

ジョウリ村の問題児でガンホの同級生。子供のころからミジュに片思いを貫いている。

ユ・インスは、「甘くない女たち~付岩洞の復讐者(2017)」で、個性的なキャラクターを演じ、その演技力で好評を得た。

本作では、幼少期からミジュに対する一途な片思いを熱演。彼の自然体で感情的な演技は視聴者の同情を呼んだ。

チェ・ムソン(ソン・ウビョク役)

金儲けの為なら殺人も厭わないウビョクグループの会長。

チェ・ムソンは、韓国のベテラン俳優で、その名声は彼が与えられたあらゆる役柄を鮮烈に演じる能力から来ている。彼は最初は舞台俳優としてキャリアをスタートし、その後テレビと映画に進出。

チェ・ムソンの代表作として「恋のスケッチ~応答せよ1988」が挙げられる。このドラマで彼は一家の父親を演じ、そのユーモラスでありながらも深みのある演技が高く評価された。また、ドラマ「刑務所のルールブック」でも刑務所の囚人役を独自の視点で演じ、注目を集めた。

2017年、野の花映画賞にて「説行の雪を歩く」で、助演男優賞を受賞したことが特筆される。脇役ながら存在感の強い演技が特徴。

チョン・ウンイン(オ・テス役)

検察官の頃からソン・ウビョクと癒着している大統領を目指す国会議員。

チョン・ウンインは、数々の映画やドラマでその才能を発揮してきた韓国の名脇役。彼の多様な演技スタイルとキャラクターへの深い理解は、彼が幅広い役柄をこなすことができる理由となっている。

チョン・ウンインはドラマ「奇皇后(2013)」でその名を広く知らしめた。彼はこのドラマで扮する悪役ヨム・ビョンスの役柄を完璧に演じ、視聴者に強烈な印象を残した。他にも「君の声が聞こえる(2013)」、「刑務所のルールブック(2017)」などで印象深い悪役ぶりを披露した。

ホン・ビラ(オ・ハヨン役)

オ・テスの一人娘で、ガンホの婚約者。

ホン・ビラは、同僚俳優からのオーディションの提案を受けて映画会社を訪れ、その場で映画「ビューティフル・ヴァンパイア(2018)」にキャスティングされた実力派女優。その後、「アゲインマイライフ(2022)」でキム・ギュリ役を演じ、自身の才能を発揮した。また、ホン・ビラはその演技力を評価され、第5回ソウル青少年演劇祭と第18回全国青少年演劇祭ソウル地域予選で創作独白競演優秀賞を受賞。

動画紹介 | 悪い母

視聴者の声 | 良くも、悪くも、だって母親

0.0
5つ星中0.0つ星です!(0人の声)
最高に面白い0%
良かった0%
まあまあ0%
イマイチ0%
面白くなかった0%

↓ ぜひ視聴されたあなたの感想もお聞かせください。

タイトルとURLをコピーしました